ジョジョジョ・メモリーズ

ジョーカーズと戯れる紙のオタクの日記

ダンボールを飛び出してしまった戦士たち〜装甲娘感想〜

どうもShinです。

リリースされてから早2週間、私の周りでも盛り上がりを見せる「装甲娘 ミゼレムクライシス」。

「だいぶ前に事前登録してたよな…?」と思っていたらそれは前作の事前登録だったことをつい最近知ったぐらいには情報に乏しかったり、原作の話題も全く出てこなかったような自分の周りでも盛り上がっているというのは非常に感慨深いものです。

永かった…あまりにも永かった…

待ちに待ったダンボール戦機のターン、思い切り語らせていただきたいと思っています。

 

ダンボールに戻れなかったLBXの話

ダンボール戦機シリーズでは一貫して「玩具としてはオーバースペックなLBXが悪用されるのに対し、ホビーとして遊ぶ子供達の手によってダンボールの中に戻っていく」というのがテーマでした。

無印とWにおいては「玩具であるLBXが悪用される」というところから始まり、アルテミスやアキハバラキングダムと言った「ホビー」の面と暗殺計画の阻止、サターン・パラダイス攻略と言った「兵器」の要素を分けて描いていました。

無印とWの違いは、多くの事件がバン達関係者の間でしか知られていないことに対し、全世界的に「危険な兵器でもある」という認識が与えられたという点にあるでしょうか。

一方WARSでは「ここではLBXは”兵器”である」という認識から「LBXバトルを楽しむ瀬名アラタ」の存在をベースに物語が進行していきます。

 

そして装甲娘では「すでに兵器として技術のみが運用されLBXとは全く別物である」というところから物語が始まります。

中盤で「平和にLBXバトルがしたい」という発言が出る通り、この作品も「LBXダンボールの中に戻す」という目的があり、最も兵器との対比を強く描いたWのイフの後日談としては完璧な立ち上がりと言えます。

LBCSを通して見てもジェネラルやマスターコマンドと言った兵器運用をされてきた機体や数少ない水陸両用機であるナズーが強力(高レアリティ)であるのに対し、ウォーリアー、ソルジャーと言ったホビーとして流通している機体が性能として劣る(低レアリティ)である点も注目ですね。

 

「兵器」と「ホビー」という2つの要素の分岐点となるアイテムが「コントロールポッド」、「オーバーロード」と言った「操作性の飛躍的な向上を狙うシステム」なのですが、装甲娘はこの点を「LBX相当のパワーを持った武装を自ら纏う」ことで完全に兵器としてのスタートから描くことになります。(おそらく装甲娘の操作感としても「モーション操作になったコントロールポッド」というのが近いのではないでしょうか。)

最適化の媒体としてミゼルがオーレギオンに自らをダウンロードしたことを考えると、ミゼルへのカウンターシステムが言うなれば同じように「LBXになる」ものであり、ミゼルが理解できなかった「不完全な人間」の象徴とも言える発展途上の女子高生にしか適性がないというのもまた面白いですね。

 

また装甲娘における対比の描き方として象徴的なのは「アルテミス」の機能化です。

無印では兵器として使う勢力に利用はされるものの、あくまで大会の中でプレイヤーによってホビーの範疇で決着をつけられますし、Wでは暗殺計画の舞台として利用されはしますがあっさり阻止されて純粋なホビーの祭典としての描写メインで描かれます。

アルテミスの存在はホビーとして描かれるLBXのピーク、最もホビーらしいLBXの姿とも言えるのです。

この点からNEOアルテミスの存在事態は一切シナリオに絡ませずソーシャルゲームの対人要素として、もっと言えば「機能」として運用される点にとても感動しました。

 

・原作オマージュとオリジナルストーリーの噛み合い

装甲娘のシナリオにおいて最初に戦うのはジ・エンペラー率いる防衛軍の部隊。

原作においてもジ・エンペラーはイノベーターの刺客として送り込まれた海堂ジンの愛機であり、アキレス、ハンター、クノイチの3機を圧倒する強さを見せます。

「イノベーターとの戦いは兵器としてのLBXである為、最初に戦うのはハカイオーではなくエンペラーである」というところが示されてからシナリオへの期待は高かったのですが、「アキハバラで離反したレッドリボンとアキレス(主人公)、ジョーカーが戦う」という展開を見て本当に驚きました。

 

原作でのアキハバラキングダムの時期というのはオーディーン、パンドラ、フェンリルに機体が変更されたと同時にコントロールポッドが実用化され、アルテミスでは目立たなかった兵器の要素が追加されていく時期です。

またレックスが消息不明になりイノベーターからジンが離反、郷田・仙道の和解やアキハバラハッカー軍団、オタクロスとの協力関係の成立など人間模様も大きく変化する時期です。

装甲娘では、カズと同じくチームでの役割に悩み近接戦を鍛える為にハンターとクノイチのスパーリングという展開から始まり、ポジションとしてレックスと同じであるレッドリボンの離反で描いた「信頼できる仲間の離反」、アキハバラキングダムでの郷田・仙道の和解・ヤマネコとの協力関係を構築するためのバトルで描かれた「和解の為の戦い」を経てパンドラの登場による「戦いが次なる段階に進んだことの描写」と流れの全てが完璧でした。

原作と同じ機体の対戦カードを描きつつ、心理描写までもオマージュしてきた装甲娘には尊敬しかありません。

早期の段階で「命のやりとりに繋がることを実感した主人公が傷心する」などこのあたりのオマージュ描写の時系列を本編と比較するのはかなり曖昧ではありますが、元から兵器要素のみで構成されているので機体は関係ない、という世界観構築から上手いシナリオを称賛する他ないでしょう。

 

 

・これはもう遊びなんかじゃない

いかがだったでしょうか。まだまだ語り足りないことも多いのですが、これ以上語ることはもはや私の妄想の域を出ない為、焦らずに公式からの情報を待つことと致しましょう。

まだまだゲームのシナリオも前半戦。どんどん機体やシナリオも追加されて、オリジナルストーリーで始まるというアニメにもワクワクしますね。

SEや勝利時演出など細かなところからも「ダンボール戦機」という作品が帰ってきたことに嬉しくなるばかりですが、LBXダンボールの中に帰るのを見届けるまで、今後の装甲娘の展開から目が離せません。

 

それではまた次回の記事でお会いしましょう。

記事の感想や、装甲娘プレイヤーの方のためにカジュアルな連合もありますので、何かありましたらTwitterまで一声かけていただけると嬉しいです。

@Jokers_jojojo